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[일본신문]松本城　天守をまもった３先人

Name : admin (작성일 : 10-08-12 09:51:31 / Hit : 1135)

2010年ねん8月がつ11日にち

松本まつもと城じょう（長野ながの県けん松本まつもと市し）は古武士こぶしのようだ。姫路城ひめじじょうほど優美ゆうびではないが、どっしりと落おち着ついた風情ふぜいがある。

　天守閣てんしゅかくは三河みかわ出身しゅっしんの武将ぶしょう、石川いしかわ数すう正せいの長男ちょうなん康長やすながによって、文ぶん禄ろく２（１５９３）年ねんから３年ねんにかけて築造ちくぞうされたと考かんがえられている。数かず正せいはもともと徳川とくがわ家康いえやすの重臣じゅうしんだったが、天正てんしょう１３（１５８５）年ねんに豊臣とよとみ秀吉ひでよしのもとに走はしり、松本まつもと城じょうは関東かんとうの家康いえやす包囲ほうい網もうの要ようとして位置いちづけられた。

　５層そう６階かいの天守閣てんしゅかくが明治めいじ以降いこうも無事ぶじに保存ほぞんされたのには３人にんの存在そんざいが大おおきかった。

　まずは廃はい城じょうの危機きき。明治維新めいじいしんで不要ふようになった天守閣てんしゅかくは競売きょうばいにかけられ、２３５両りょう余あまりで売うられてしまった。これを憂うれえて、買かい戻もどしを決意けついしたのは、地元じもとの有力ゆうりょく者しゃ、市川いちかわ量りょう造づくりだった。市川いちかわは買かい主ぬしに破やぶ却の延期えんきを請こい、有志ゆうしを集あつめ、天守閣てんしゅかくを借用しゃくようして地方ちほう都市としでは珍めずらしい博覧はくらん会かいを開催かいさい。博覧はくらん会かい成功せいこうによって得えた資金しきんなどによって天守閣てんしゅかくは買かい戻もどされた。城しろを利用りようした産業さんぎょう振興しんこうのさきがけだろう。

　取とり壊こわしは免まぬかれたものの、今度こんどは老朽ろうきゅう化かによる倒壊とうかいの危機ききが訪おとずれる。明治めいじ３０年代ねんだいになると天守てんしゅの傾かたむきが顕著けんちょになりはじめた。立たち上あがったのは本丸ほんまる広場ひろばを運動うんどう場じょうに使つかっていた旧きゅう松本まつもと中ちゅう（現げん松本まつもと深志ふかし高校こうこう）の小林こばやし有ゆう也校長こうちょうだった。

　小林こばやし校長こうちょうは、小里おざと頼よりゆき永えい（初代しょだい市長しちょう）らと「松本まつもと天守閣てんしゅかく保存ほぞん会かい」を結成けっせい、東奔西走とうほんせいそうして、松本まつもとゆかりの人々ひとびとに寄付きふを呼よびかけた。「明治めいじの大だい修理しゅうり」と呼よばれる保存ほぞん工事こうじが実現じつげんし、傾かたむきは直なおった。

　ただ、明治めいじの大だい修理しゅうりは解体かいたい修理しゅうりまではしておらず、戦時せんじ中ちゅうもろくなメンテナンスができなかったため、戦災せんさいは免まぬかれたが、傷いたみは激はげしくなった。

　昭和しょうわ２１（１９４６）年ねん、占領せんりょう軍ぐんの美術びじゅつ顧問こもんチャールス・Ｆ・ギャラガーが長野ながの県けんの文化財ぶんかざい調査ちょうさで松本まつもと城じょうを視察しさつ。早急そうきゅうな解体かいたい修理しゅうりの必要ひつよう性せいを認みとめ、速すみやかに着工ちゃっこうするように文部省もんぶしょう（当時とうじ）に勧告かんこくした。松本まつもと市民しみんの間までも修理しゅうり保存ほぞんの機運きうんが盛もり上あがり、昭和しょうわ２５年ねんから５年ねんをかけて本格ほんかく的てきな解体かいたい修理しゅうりが実現じつげんした。

　「戦後せんご復興ふっこう期きにもかかわらず大おおがかりな修理しゅうりができたのはギャラガーさんの意向いこうが大おおきかった。当時とうじの占領せんりょう軍ぐんの意向いこうは絶対ぜったいだったでしょうから」と松本まつもと城じょう研究けんきゅう専門せんもん員いんの青木あおき教きょう司しさんは説明せつめいする。

　３人にんの背後はいごには、城しろを愛あいするたくさんの松本まつもとの人々ひとびとがいて、後押あとおししたことは言いわずもがなだ。（斉藤さいとう勝寿かつとし）